何があっても「大丈夫。」と思えるようになる自己肯定感の教科書

TitleOutline
Author中島 輝
Published2019/2
Read2020/5

「自己肯定感」とは、つまり 自分が自分であることに満足し、価値ある存在として受け入れられること。言わば、私たちの人生の軸となるエネルギーです。 自己肯定感という感情のエネルギーがあれば、日々の生活のなかで、「楽しい!」「大丈夫!」と思えることが多くなります。

「どうせまた失敗するから」、「嫌な気分になるからやめておこう」、「またつらくなるのは嫌だから、1人が気楽」。もし、あなたの友だちがこんなフレーズをこぼしつつ悩みを相談してきたら、どんなふうにアドバイスするでしょうか。 きっと、こんなふうに伝えてあげるのではないかと思います。 「不安になる気持ちはすごくよくわかるけど、でもさ、実際にどうなるかはやってみないとわからないんじゃない?」 私たちたちは自分の内面で起きたことを客観視するのが苦手です。でも、友だちや家族など、誰かのことなら客観的に見ることができます。

自己肯定感の低下はゆっくりと進むという特徴もあります。ネガティブな負のループは、じわじわとあなたを自動思考の罠に 陥れ、いつも自分で自分に「NO」と言ってしまう状態に固定化させていきます。

第一章 自己肯定感の知っていおきたい3つのこと

知っていおきたい1つめ - 自己肯定感は揺れ動く

なぜ調子が悪い日があるの?

大切なのは、「自己肯定感が上下動するものだと知ること」と「今、自分の自己肯定感がどういう状態になっているかに気づくこと」です。

どんな状況にもブレない「自分軸」とは?

一喜一憂せずに自分の状態を客観視することの効能は、脳科学的にも立証されています。たとえば、承認欲求はとても強いもので、人から認められたとき、褒めてもらえたとき、課せられた課題をクリアできたとき、人は快楽を感じます。

感情はどうしても一喜一憂するものですから、自分でフラットな状態に持っていくよう意識することが必要です。感情はコントロールできる、感情はこのような生きる技術の習得で違う感情に自分で変えることができるのです。

  • 自己肯定感が上下動するものだと知ること
  • 今、自分の自己肯定感がどういう状態になっているかに気づくこと

知っていおきたい2つめ - 一瞬で高まる、少しずつ高まる

自己肯定感の高め方は2つある

たとえばこんな状態にあるとき、瞬発型の対策は役に立ちます。

  • とりかからなくてはいけない仕事があるのに、ついつい先延ばしをしてしまい、とりかかるのに時間がかかってしまう。
  • これから「初めまして」の人と会う場に行くのに、嫌われてしまったらどうしようと先の不安を考えてしまう。
  • 人から褒めてもらっても、「ほんとかな?」と信じられず、素直に喜べない。

こんなときは、ほんのちょっとでできる瞬発型の自己肯定感を高める方法が有効です。ちょっと自信がないなと思ったら、セルフハグをしながら、「大丈夫。大丈夫。」と言いましょう。少し嫌なことがあったら手を洗いながら、「ツイてる。ツイてる。」と言いましょう。考えがうまくまとまらないときは、部屋を掃除しながら、「できる。できる。」と言いましょう。 このように日々の生活のなかに簡単にできる自己肯定感を高めるテクニックを使ってみましょう。

  • 「嫌なことは先におこなって心を軽くしてしまおう」と、気楽にとりかかることができる。
  • 「何かあってもなんとかなるよ! 今までも、なんとかなってきた!」と、広い視野と自信を持って会場に行くことができる。
  • 人から褒めてもらったら素直に「ありがとう」と思える。口に出して「ありがとう」と言える。

このように瞬発型のテクニックを身につけると、日々変動する自己肯定感の上下動にうまく対応できるようになっていきます。

小さな習慣が大きく現実を変えていく

アメリカの心理学者バラス・スキナーが提唱した、心理学の世界で「スモールステップの原理」と呼ばれる考え方。 なぜ、スモールステップの原理が効果的かというと、人間の脳にやる気を出してもらうためには報酬系と呼ばれる脳の回路を満足させる必要があるからです。 報酬系を満たしやすい条件は、次の2つです。

  • 達成できそうな課題にとり組むこと
  • 課題を達成したという成功体験を得ること

「スモールステップの原理」は、この2つを満たし、報酬系を的確に刺激するので効果的なのです。

知っていおきたい3つめ - 無理に高めようとしなくていい

自己肯定感の2つの罠とは? - 「過去」と「比較」

3つめのポイントは、 「過去の失敗へのこだわりやトラウマ」「他人との比較や劣等感」この2つの罠が自己肯定感を低下させる という真実です。

大人になると自己肯定感は下がりすくなります。大きく分けて理由は2つあります。1つは、 経験が増えるから です。

特に失敗した経験というのは、強く印象に残ります。そして、同じ失敗を繰り返したくないという意識も高まります。これが自己肯定感を低くするトリガーとなっていくのです。

もう1つは、 他人と比較をしてしまうから です。

身近にいる人をライバルとして定め、競い合うことで力を伸ばすというのは、勉強や仕事で成果を出すために有効な方法ではあります。しかし、それが正しく機能するのは自己肯定感が高まっているときのこと。 「偏差値 55 だった私が勉強して、 58 になった。よくやった。これからまたがんばろう」と自分を認めることが重要 です。

「認めてもらいたい!」気持ちに要注意

過去のトラウマや劣等感により、自分で自分のことを前向きに評価できないとき、人は周囲から認められたいという承認欲求が強くなります。人から承認されることによって、存在の安心を得ようとするのです。

承認欲求は誰もが持っている欲求です。ところが、自己肯定感が低いままでは、自分で自分を認められないから心が満たされず、欠乏感によって他者からの評価を求めてしまうのです。 すると、行動が依存的になってしまいます。

行動の動機が「やりたい」ではなく、「承認欲求を満たすため」になったままでは、いつまでもやらされ感から脱することができず、結果を出しても自己肯定感が低下する負のスパイラルに陥ってしまいます。また、エスカレートすらすることがあります。 ここで注目したいのは、 「認めてもらいたい!」気持ちが強くなったら、自己肯定感が低くなっているのだな、と気づくこと です。

2つの罠から抜け出すには?

でも、「どうしても忘れられない失敗の記憶」や「比較したくないと思っても気になってしまうライバルの存在」がある場合は、どうしたらいいのでしょう。 答えは、 「そのまま放置して残しておくこと」 です。

ここでも重要なのは、自分で 「変えられない過去には悩まない」「ライバル視している相手を変えることはできない」と納得 することです。

自分で決めて、納得する。この手順を踏むことで、あなたは過去の失敗や他人との比較から脱することができます。なぜなら、 私たちの脳は「ま、いいか」「なんとなる」と納得したことに関しては、自然と忘れていくようにできている からです。

第2章 自己肯定感ってそもそも何? - 自己肯定感を構成する「6つの感」とは?

なぜ自己肯定感はこうも簡単に上下動してしまうのでしょうか。その理由は、 自己肯定感が〝6つの感〟によって支えられている ことにあります。

  1. 自尊感情 … 自分には価値があると思える感覚
  2. 自己受容感 … ありのままの自分を認める感覚
  3. 自己効力感 … 自分にはできると思える感覚
  4. 自己信頼感 … 自分を信じられる感覚
  5. 自己決定感 … 自分で決定できるという感覚
  6. 自己有用感 … 自分は何かの役に立っているという感覚

この〝6つの感〟を「自己肯定感の木」にたとえて説明します。

  1. 自尊感情 … 木の「根」のようなもの。根っこが深くなければ木は倒れてしまいます。
  2. 自己受容感 … 木の「幹」のようなもの。しなやかでなければ木は折れてしまいます。
  3. 自己効力感 … 木の「枝」のようなもの。伸び伸びとしていなければ、広がっていきません。
  4. 自己信頼感 … 木の「葉」のようなもの。自分を信じなければイキイキと輝きません。
  5. 自己決定感 … 木の「花」のようなもの。花は主体的に自分で決めることで、開きます。
  6. 自己有用感 … 木の「実」のようなもの。誰かの役に立てること。それ自体が甘いご褒美。

第1感 自尊感情 … 自分には価値があると思える感覚

自尊感情は、あなたが自らのパーソナリティ(その人の持ち味、個性、人柄)を自分で評価し、 自ら生きる価値を認識し、自分の活かされた命を大切にする感情 です。

とても重要な「感」ですが、内閣府の行った調査(日本を含めた7カ国の満13 - 29歳の若者を対象とした意識調査「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査。平成25年度」)によると、日本人は諸外国に比べて、自尊感情が低いことが明らかになっています。

「満足している」「どちらかといえば満足している」の回答率は45.8%。 これはアメリカ、ドイツ、フランス、韓国など、同様の調査を行った国で「満足している」「どちらかといえば満足している」の回答率がすべて70-80%を超えていることとと比べると、非常に低い数値です。調査国の中で、最下位なのです。

日本の社会は、自尊感情が傷つきやすい構造を抱えている のです。

第2感 自己受容感 … ありのままの自分を認める感覚 - 何度でも立ち上がる強さを身につける

自己受容感は、自分のポジティブな面もネガティブな面もあるがままに認められる感覚です。

それが起きた時どうするか、あらかじめ決めておく。

拒絶される恐れ、攻撃されることへの恐怖心が強く出てしまうケースで必要なのは、状況を客観視することと不安に対処すること。そのための手法として、 「if-thenプランニング」 をすすめます。 「if-thenプランニング」は、その名のとおり、「もしXが起きたら(if)、Yをする(then)」と前もって決めておくことで、状況を客観視し、不安から行動を躊躇してしまう自分の背中を押すというテクニックです。

「if-thenプランニング」は心理学、脳科学など数多くの学術研究で効果が立証されていて、人間はあらかじめ「Aという状況となったときには、Bをしよう」と決めておくだけて、行動に移しやすくなることがわかっています。

周囲を変えようとするのでもなく、悪口を言われるかも知れないという不安感を消すわけでもなく、 仮にそうなっても大丈夫だというメッセージを自分自身に発することで自己肯定感を高める わけです。

過去の怒りから解放される方法とは?

有効なのは自分が抱えている苦しい感情をしっかりと認識することです。

ポイントは自己受容感を損なう原因となった出来事とその感情を思い出し、紙に書き出すことです。

なぜ、書き出すことで、いつまでも気になっていたことやいつもつきまとってくる不安に変化が生じるかと言うと、私たちの脳は、ぼんやりと気にかかっていることほど忘れられず、きちんと整理でき、区切りが付いたことは忘れられるという性質があるからです。 人間は区切りをつければ忘れられる のです。

つまり、 私たちは「忘れたい」「こだわりたくない」と意識していることほど、「忘れられず」「こだわってしまう」 のです。しかも、自己肯定感が下がっているとネガティブな出来事への反応が強くなるので、ますます忘れられなくなります。

第3感 自己効力感 … 自分にはできると思える感覚 - 何度でも挑戦できる自分になる

自己効力感は、何らかの問題に向き合った時、こうすればうまくいくはずだとプランを立てられ、考えたプランを実行できるという自信を持つ感覚です。自己効力感が高まると、自分は何かを成し遂げることができ、目標を達成できると信じられる状態になります。つまり、 勇気を持てるようになる のです。

目標を設定するときは、「失敗する、挫折する、計画外のことが起きる」ということを盛り込んで おきましょう。

ちなみに、極端な方法に走りがちなのは、自己効力感が下がっているから。無理に高い目標設定をして、一気に変わろうとしてしまうのです。 そうではなく、自分のリズムに合わせてスモールステップを踏み、「やった!」「できた!」と目標に近づいていきましょう。

ネガティブな思い込みを断ち切る2つのテクニックとは?

1つは、 ネガティブな思い込みを「ネガティブな思い込み」だと自覚する こと。 もう1つは、 「ネガティブな思い込み」を手放す こと。

「課題の分離」 という「ネガティブな思い込み」を自覚するためのテクニックと、「もうやーめた!」 と声に出し、「ネガティブな思い込み」を手放していく「脱フュージョン」

「課題の分離」はネガティブな心理プロセスに陥っているとき、その原因がどこにあるのかを仕分けていくテクニック。「脱フュージョン」は心理療法の現場で使われている不安な感情を切り離すテクニックです。

第6感 自己有用感 … 自分は何かの役に立っているという感覚

私たちは自己有用感が低い状態になると、物事を諦めやすくなってしまいます。なぜなら、人は自分のためだけにがんばることが極端に苦手だからです。

周囲の目を客観視するための「ポジション・チェンジ」と自分の夢を再確認してもらうための「タイムライン」 まわりの社員が優秀すぎて、自分に活躍の場がないというのは思い込みにすぎません。

第3章 自己肯定感が一瞬でパッと高まる方法

大切なのは、今、自分が下した評価、感じた気分というのは一時的で主観的なものに過ぎないと知っておくこと。そして、自己肯定感が低くなっているときには物事への評価がネガティブな方向に流れていきやすいことを覚えておいてください。

1.ヤッター!のポーズ

朝、目覚めたらまずは窓を開けましょう。 晴れでも、曇でも、雨でも、雪でも、外の空気を室内にとり入れます。 そして、グーッと伸びをした後、顔を上向きにして両こぶしを上に突き上げ「ヤッター!」のポーズをとりましょう。 声を出せる方は声をだすと、もっと自己肯定感が高まるでしょう。

脳科学の研究や生理心理学における研究でよく登場するものに、「サーカディアンリズム」があります。人間は24時間のサイクルで脳波や体温、血圧などが規則的に変化するというものです。「ヤッター!」のポーズは、このサーカディアンリズムという体内時計を整えるためにも有効です。

4.少しだけ歩いてみる

少しだけでも歩くことが脳にいいことは、脳科学でも実証されています。スタンフォード大学の研究では、歩いている人のほうが平均で 60 パーセント思考能力がアップすることがわかっています。それは、外でなくとも室内を歩いても十分に効果があるそうです。 人は歩くと脳からセロトニンという物質が分泌され、爽快感を生みだします。セロトニンは、その他にも、不安解消・多幸感を生み出します。

5.私っていい人!と思って挨拶する

「もしかして、嫌われているかもしれないな」など、自分は人から認めてもらえてないという思い込みに囚われてしまいます。 そういうときは、「返報性の原理」を使いましょう。この原理は、「人は他人から何らかの施しを受けた場合に、お返しをしなければならないという感情を抱く」という心理です。そして、「私ってイイ人!」と自分を肯定しましょう。

9.好きなものだけを見る時間を作る

自己肯定感が低下すると、「最近、何も面白いことない」「この連続で人生が終わってしまうのではないか」「毎日、同じことの繰り返しでつまらない」など、今の時間に疑問を持ったり、虚しくなり、やる気が失せていきます。 そうならないためにも、1968年に、アメリカの心理学者エドウィン・ロック教授により提唱された目標設定理論を使いましょう。目標設定理論では、「人は目標を設定すれば、高いモチベーションをもたらす」としています。 ですから、スキマ時間、昼休みなどの休憩時間、仕事からいったん、自分を切り離し、好きなものを見る時間をとりましょう。

10.仮眠を取る

パワーナップは、コーネル大学の社会心理学者ジェームス・マースが提唱する仮眠方法で、 15 ~ 20 分、目を閉じ、うとうと休息をとるというもの。その効果は夜の3時間の睡眠に匹敵すると言われています。

パワーナップをおこなう際は部屋の明かりを消した状態で横になり、目を閉じ、ゆっくり呼吸する状態が最適とされています。しかし、椅子に座った状態で目を閉じ、腕を枕にして突っ伏し、呼吸のペースを落とすことでも同様の効果が得られることもわかっています。 周囲の物音や光が気になる場合は、耳栓やアイマスクを用意しておくといいでしょう。会社などの環境で、その場で昼寝ができないという人はトイレや人通りがないベンチでもいいでしょう。たった 15 分の仮眠で愉快な気分になり意欲が向上するのです。1日 15 分で1日ぶんの自己肯定感が勝手に高まってくれる。試してみましょう。 11

13.良好な関係の人と話す

自己肯定感が低下している人は、対人関係で問題が起きないように、自分が相手に合わせるということを繰り返しています。これは、大きなストレスになります。

16.セルフハグ

自己肯定感が低下しているときは、自分のネガティブな側面にフォーカスして、後悔したり、明日を思い悩んだりしてしまいます。仕事を終え、帰宅したら、ゆったり、まったり、ほんわかできる服に着替え、右手で左肩を、左手で右肩をぐっと抱きしめてください。自分で自分をぎゅーっと抱きしめるセルフハグです。

セルフハグは自分で刺激する作業です。そして、セルフハグを8秒するだけで、この3大神経伝達物質が出てくるのです。なぜ8秒かというと、私たち大人が深呼吸すると、だいたい8秒になるからです。

「ありがとう、私」 「がんばっているぞ、俺」 「どんどん良くなっているよ、私」 「毎日、エライぞ、俺」 最初はちょっと恥ずかしいかもしれません。でも、思い切り抱きしめ、褒めてみてください。

19.休日だからこそ早起きする

自己肯定感を勝手に高めるもっとも簡単な方法。それは、休日だからこそ、いつもより早起きすることです。 休日ですから、早起きして眠くなっても好きな時間に好きな場所で、テクニック 10 のパワーナップの法則が十分に使えます。いつでもどこでも 15 分の仮眠をとって、自己肯定感をさらに高めることができるのです。

先述したサーカディアンリズムによると、脳は、目覚めてから2時間の間にもっともクリエイティブなワクワクする思考力を発揮することがわかっています。このゴールデンタイムを活用するために、ぜひ休日こそ、早起きしてみてください。

20.自分で決めて、楽しく実行する

映画鑑賞、買い物、スポーツ、散歩、料理、ゲームなど、好きなことのジャンルはどんなものでもいいですし、1人の時間を持つということでも、みんなで遊ぶということでも、初めての体験をしてみるというのでもかまいません。 本当にそのときの自分が、「これがいい!」と思ったものなら、なんでもいい。「1日中、家のなかでボーッとする」と計画したら、それでもいいのです。 大切なのは、計画を立て、実行することです。 「1日中、家のなかでボーッとする」計画が実行できたら、「自分に◯!」をつけてください。さらに、計画以外のボーッとするほかのこともできたなら、「もっと自分に◯!」をつけると、1日をしっかり過ごした充実感と幸福感が味わえます。

実際、2016年にアメリカのアイダホ大学が800人の休日を調査した研究でも、計画的な休日の過ごし方の重要度は立証されています。 この研究によると、自分で休日の予定をコントロールできていると思う人の幸福度は高く、新しいことにチャレンジしている人ほど自己肯定感を高めていることがわかったのです。

22.夕暮れ時は明るいところに行く

脳の内分泌的にも、日没に向けて、セロトニンが少なくなって、抑うつ的な状態になることがわかっています。その時間帯に副交換神経が優位になり、車でいうとアクセルからブレーキをかける状態になるのです。 夕方に気分が落ち込むのは正常なことなのですが、自己肯定感が低下しているときは、わけもなく行きづまりを感じたり、モヤモヤしたり、イライラしたり、後悔したり、切なくなったり、自信を喪失してしまうのです。 そんなときは、人が多くいる場所へ出かけましょう。人が多くいる場所は照明も明るく、気分まで上がります。 ショッピングモール、コンビニエンスストア、セレクトショップなど、ざわざわと賑やかな場所に身を置くことで社会とのつながりを感じ、自己有用感が上昇します。 人の動きも感じられ安心感も得られます。完全に日が落ち、夜になってから帰宅することで、休日の終わる寂しさや夕暮れどきの 寂寥感 をうまくやり過ごすことができるのです。明るい雰囲気の場所は、あなたの自己肯定感を勝手に高めてくれる格好の場所です。

23.30秒のマインドフルネス瞑想法

そこで、1日の始まりや終わり、もしくは、1週間の終わりでもあり、新しい1週間の始まりでもある日曜日に、ほんのちょっとの時間、 30 秒でかまいません。「今、ここ」の私にフォーカスする瞑想をおこなってみましょう。

第4章 自己肯定感をじわじわと高める方法

  1. 自己認知 ... あなたの自己肯定感の木がどんな状態にあるのかを知る
  2. 自己受容 ... 現状の自分に「YES」と良い、自己肯定感の木を育む準備を整える
  3. 自己成長 ... 継続して自己肯定感の木を育むためのモチベーションを高め、維持する

ステップ1の「自己認知」とは、今の現実の自分を知ることを指します。 「なぜ、気持ちが落ち込んでしまう日が続いているのか」 「どうして物事をネガティブに受け止めてしまいがちなのか」 「なぜ、彼のひと言が気になってもやもやとした気分になってしまうのか」 「どうして、かわいいわが子にイライラしてしまうのか」 自己肯定感の低下を感じる日々の出来事を客観的に見ることで、今の私、つまりあなたが今いる現在地を再確認していきます。

続くステップ2の「自己受容」とは、現在地を知ったうえで、そこにいる自分を受け入れることです。 人間は不完全であり、完璧にはなれないことを前提として、自分のポジティブな点とネガティブな点を受け入れます。そして、何が心を 塞いでいるのか、どう改善していったらいいかを知り、無理のない目標を立てて、1つ1つの問題をクリアしていきながら、自己肯定感を高めていきます。

そして、ステップ3の「自己成長」とは、自分には達成する力、社会のなかで役に立つ力があると信じ、成長していこうとすることです。理想とする自分像に向かって、行動する力、やり抜く力を育んでいきます。

どうしても不安感に押し潰されそうになったなら

揺れ動く心、負の感情によるメンタルのブレに対して「もやもやしても、ま、いっか」とうまく付き合う方法を伝えるのが、サポートトレーニングの「負の感情をコントロールする方法」です。 「負の感情をコントロールする方法」は、「自己肯定感の木」を育むためのいい土壌づくりのようなものです。そもそも、自己肯定感の木が育つ土壌が、不安や恐れ、苛立ちにまみれた土壌だとしたらどうでしょうか。自己肯定感そのものが育ちません。 この自己肯定感の木の土壌は、言いかえれば「安心感」という言葉で表現できます。 つまり、しなやかでゆるぎない自己肯定感の木を育むうえで大切となる「安心感」をつくるのがここでの目的となります。

それは「全部やらなくても大丈夫」 ということです。

ステップ1 「自己認知」の3つのトレーニング

自分のことは一番理解できない という心理学のデータがあります。たとえば私たちは何かにとり組むとき、客観的に状況を分析することができずに時間や労力を軽めに見積もってしまう傾向があるというのです。 この傾向を「計画錯誤」と名づけたのは、のちにノーベル賞経済学賞を受賞する認知心理学者のダニエル・カーネマンです。カーネマン博士は、学位論文を書いている大学4年生を対象に、こんな実験をおこなっています。 論文を書いている学生たちに「いつごろ書き終わるか」と質問。最短のケースと最長のケースを予測して記入してもらいました。学生たちが予想した最短日数の平均は 27 日、最長日数は 49 日でした。 ところが、実際に論文が書き終わるまでにかかった平均日数は 56 日。実際に最短の予測日数で書き終えた学生はほんの一握りに過ぎず、最長の予測日数で書き上げた学生も半分もいませんでした。 いかがですか? 人は、自分を客観視するのが苦手な生き物なのです。

自己認知のトレーニング1 「ライフチャート」 - あなたの現在地を書き起こす

自己認知のトレーニング2 「レファレント・パーソン」 - セルフイメージを高める

だからこそ、私たちは 重要な判断や選択に迷ったときにこそ、レファレント・パーソンが大切 になります。これは、身近なあのような人になりたいという「ロールモデル」でも、仕事や人生の指導や助言を行ってくれる「メンター」でもありません。 レファレント・パーソンとは、自分の在り方や生き方の価値基準の参考になる人物です。ですから、すでに歴史上に残っている、もしくは生存しているが後世何代までも受け継がれるだろう偉人である必要があります。

「もし、私が○○だったら、どう考えるか?」 「もし、私が○○だったら、これからどういう行動をとるか?」 「もし、○○が今の私を見たら、どうアドバイスしてくれる

自己認知のトレーニング3 「課題の分離」 - 課題を切り分けてスッキリさせる

「課題の分離」のトレーニングは、自己肯定感が低下し、とくに対人関係でつまずいたときに効果を発揮 します。周囲の環境が変化したとき、定期的におこなうことをおすすめします。人間関係の整理ができ、良好な人間関係へと移行するでしょう。

ステップ2 「自己受容」の3つのトレーニング

自己受容のトレーニング1 「タイムライン」 - あなたの目指すべき方向を見いだす

自己受容のトレーニング2 「リフレーミング」 - 潜在意識からポジティブチェンジする

ここで紹介するリフレーミングは、 「否定語を肯定語に変えるトレーニング」 。日々の生活のなかで発しがちな否定語を意識的に肯定語へと置き換えていくトレーニングです。 たとえば、こんな言い換えです。

  • あなたのパートナーが出張に出かけるとき、玄関先で「忘れ物ない?」(否定語) と聞くのではなく、「全部、持った?」(肯定語) と問いかける。
  • 翌日、取引先で待ち合わせをする後輩に「遅れないでね」(否定語) ではなく、「間に合うように来てね」(肯定語) と伝える。
  • 仕事を手伝ってくれた同僚には「お疲れさま」(否定語) よりも、「ありがとう」(肯定語) を。
  • 自分への言葉掛けを「なんか、ついていない」(否定語) から、「最近、いつもついているなー」(肯定語) に。

つまり、 あなたが自分の発している否定語を肯定語に置き換えていく作業は、あなたの感情をポジティブに変え、まわりの感情もポジティブに変える のです。

  1. 潜在意識は、365日 24 時間動き続けている
  2. 潜在意識は、思ったことや言葉をそのとおりに実現化しようとする
  3. 潜在意識は、善悪などの区別がつかない
  4. 潜在意識は、時間の概念がない
  5. 潜在意識は、人称の区別がつかない
  6. 潜在意識は、脳内のイメージと現実との区別がつかない
  7. 潜在意識は、産まれてから現在までの必要なことをすべて記憶している
  8. 潜在意識は、繰り返されることを重視する
  9. 潜在意識は、思ったものを引き寄せる
  10. 潜在意識は、具体的な質問には必ず答えを出す

この潜在意識の特徴を踏まえたら、いかに日常で使う言葉が自己肯定感を高めるに大切かわかります。

ステップ3 「自己成長」の3つのトレーニング

アフォメーションとは、肯定的な自己宣言のこと。ポジティブな言葉で自分に語りかけ、あなたの人生に好ましい変化を起こしていきます。

自己成長のトレーニング1 「スリー・グッド・シングス」 - アフォメーションで無意識から変わる

1日1ページ、その日の「今日よかったこと」を3つ挙げて書き出します。 すると、それが1日、1日と期待感を高め、 あなたの脳はグッド・シングスを探すようになっていきます。

自己成長のトレーニング3 「イメトレ文章完成法」 - アフォメーションで成功へと導く

「負の感情をコントロールする」3つのマネジメント法

エモーショナル・スケーリング

最初に、「自分がこれまでに人生で経験した最高の不安や恐れ」を思い出しましょう。これが10点満点中の10点となり、モノサシの長さになります。 次に、「今、自分が感じている不安や恐れ」は 10 点満点中何点かと考えていくのです。 不安や恐れを感じているとき、脳内では 扁桃 体 と呼ばれる部位が過剰に活性化しています。それが脳科学の研究によると、エモーショナル・スケーリングのような方法で 不安や恐れの感情を数値化、客観視することで、扁桃体の過剰な働きがおさまっていく ことがわかっています。 もし、あなたが8点、9点をつけるような強い不安や恐れを抱いてしまったら、まず、1点でもいいので下がる方法を考えてみましょう。たとえば、原因となっている事柄から1時間だけ離れてみましょう。

脱フュージョン

やり方は複数ありますが、ここでは2つの方法を紹介します。 1つ目は「俺は最低だ」と声に出しながら、手放していく方法です。ステップは3つです。

  1. 「俺は最低だ」と小さな声で口に出します。
  2. 続いて、「俺は最低だ」と頭の中で繰り返し、その後すぐに「……と思った」と頭のなかで付け加えましょう。
  3. 最後に「俺は最低だ」と小さな声で口に出し、その後すぐに「……と思ったことに気づいている」と付け加えて言うのです。

これで、自分は最低だと気づいているとなります。これで負の感情と距離が取れるようになり、負の自動思考に陥りにくくなるのです。

2つ目は、このやり方を歩きながら、料理や掃除をしながらおこなうことです。 冷静さを取り戻し、客観的になることができます。 そして、 どんな強いネガティブな負の感情も口に出してしまえば、単なる言葉に過ぎないことに気づく ことができるのです。

Last Updated: 8/17/2021, 5:49:50 AM